TOKYO TRAVELOGUE東京紀行
2024奇想の建築家。
2024 Winter
秋も終わりを告げ、時折厳しい寒さをみせる11月下旬。絵にかいたような小春日和。散策には絶好の機会だった。もともと京都や伊勢のように古風な街並みやレトロ建築を観て回るのが好きなのだが、文京には「鳩山会館」や「小石川後楽園」、「湯島聖堂」といった数々のレトロスポットや文化財があり、以前から魅力を感じていた。
美と知的好奇心を満たすサプリメント。
2023 Summer
つい先日、今年も折り返しを迎えた直後の、ある梅雨の合間。蒸し暑い日本の夏を十二分に感じながら、本駒込の「東洋文庫」を訪れた。もう十年以上も前のハナシ。雑誌かなにかで見た「モリソン書庫」の圧倒的な美しさに目を奪われ、記憶の片隅にその光景が残っていた。
お気に入り探し!
2023 Winter
師走に入ったばかりのとある平日。小春日和に誘われて、懐かしの地に降り立った。あれから何年の月日が経ってしまったのだろうか。巣鴨と駒込の間、やや巣鴨寄りに位置する我が母校。
都内唯一の吉祥寺
2022 Summer
うだるような暑さが続いていたとある平日の昼下がり。ふと思い立って、以前から気になっていた曹洞宗の名刹、「吉祥寺」を訪ねた。「吉祥寺」と言って真っ先に思い浮かべるのは、ハモニカ横丁のある、あの吉祥寺だろう。いつの頃かは定かではないが、渋滞に巻き込まれた際に、たまたま目に入ったのがここ。
深淵なる日常
2022 Winter
朝晩とだいぶ冷え込んできた、とあるウィークデーの昼過ぎ。枯葉を踏みしめる自らの足音を心地よく耳に感じつつ、ポケットに手を突っ込んで肩をすぼめながら様々に色付いた木々を楽しんでいると、一際存在感のあるイチョウの木が眼前に現れた。確かな威厳を肌で感じ、慌ててポケットから手を出し、背筋を伸ばして食い入るように魅入る。気がつくと、数十分が経過していた。それもそのはず。このイチョウは植物学のエポックメイキングとなった標本らしい。その樹齢もゆうに300年を超え、積み重なった歴史を静かに見守ってきた
在りし日の御茶ノ水
2021 Summer
昼下がりの外堀通り。水道橋の駅を背に、照り付ける太陽と右手眼下の水面を吹き抜ける風をわずかに感じながら、ゆっくりと歩を進めていく。そう、ここ「お茶の水坂」は江戸時代から存在し、浮世絵にも描かれた名所だ。水道橋駅から順天堂前交差点まで、750mものだらだらとした上りが続いている。やっとの思いでこの坂を上り切り、そこから地下鉄御茶ノ水駅の手前を右に折れて「お茶の水橋」の中央から秋葉原方面を望むと、都心では珍しい渓谷状の地形が一望できる。
万世橋駅
2021 Winter
ネオンがやけに眩しい秋葉原の街を背に、中央通りを淡路町方面へ歩いていくと、オレンジ色のライトが薄明るく橋を照らしていた。神田川に架かる『万世橋』は昭和5年に造られた石製の橋だ。よく見ると、汽車や桜など、かわいらしいモチーフが施されている。東京屈指のターミナル駅『万世橋駅』は、かつてこの橋の向こう、須田町交差点に面して建っていた。